新型コロナウイルスの感染者数(死者数)が増えるに伴って、偽情報が溢れかえってます。
結論から申しますと、「何もわかってない」「予測も不可能」だと言うこと。
だからと言って感染予防対策しても意味がないわけではありませんよ!
と言うわけで、アイボパパです。
新型のコロナウイルスなので分からないことだらけですが、ウイルスについて10個項目書きだしてみました。
index
- ①ウイルスは小さい
- ②ウイルスの基本的構造 (⑥のウイルス感染様式に関係してます)
- ③ウイルスはDNAあるいはRNAの一方しかもたない
- ④ウイルスは3つの運命がある(一種で複数の感染様式をとる場合もあります)
- ⑤ウイルスは特定の細胞にしか感染しない (⑥のウイルス感染様式に関係してます)
- ⑥ウイルスの増殖様式
- ⑦免疫細胞はウイルスを破壊します
- ⑧抗ウイルス薬はごく一部
- ⑨抗ウイルス薬とは
- ⑩予防が最重要 まとめ
知っておいて損はない知識
特に知っていて損はないと思う項目:①③⑥⑦⑧⑨
①ウイルスは小さい
「マスクで予防できない」と言われる理由です。
一般的なウイルス大きさは光学顕微鏡で構造や形態を確認できません。
電子顕微鏡でしか観察できない大きさなのでマスクを透過してしまうんです。
ですが、なにもシールドの無い状態よりかは防げるし、呼気で湿潤状態にできるので効果はあります。
世界保健機関(WHO)の担当者は4日、新型コロナウイルスについて「必ずしもマスク着用は感染予防にはならない」と述べた。手洗いの方が効果的だという。一方、ウイルスに感染した人は、流行を広げないためにマスクをすべきだと指摘した。
感染した人が流行を広げないためにマスクすべきと指摘するなら、感染してない人がマスクしたら予防になりますよね。
②ウイルスの基本的構造 (⑥のウイルス感染様式に関係してます)
ウイルスは核酸とカプシド(タンパク質の殻)からできています。
外側はエンベローブ(脂質二重膜)で包まれているウイルスも存在します。
エンベローブの外側にスパイクを持つウイルスもいて宿主細胞に吸着、侵入、免疫機構から逃れる作用をもちます。
③ウイルスはDNAあるいはRNAの一方しかもたない
エネルギー産生、代謝系をもたないウイルスは単独で生きていけません。
2本の核酸を持つものがDNAウイルス、1本の核酸を持つものがRNAウイルスになります。
※コロナウイルス科はRNAウイルス
偏性細胞内寄生性と言われ、生きた細胞の中しか増殖できません。
つまり、宿主の細胞に寄生してるので抗ウイルス薬が作れない(少ない)理由です。
ウイルス感染症は、基本的に保存療法がメインになります。
④ウイルスは3つの運命がある(一種で複数の感染様式をとる場合もあります)
溶解感染
多くのウイルスがとる感染様式で宿主の細胞は自ら代謝をウイルス産生に使うようになり、形も変化し増殖し破壊されます。
そして次の細胞に感染して増殖します。
潜伏感染
宿主細胞がウイルスと共存し症状を出さない程度のウイルス産生を行うもの。免疫系を回避してるので排出されにくい。
発がん感染
宿主細胞にウイルスの遺伝子が組み込まれ癌細胞に変異し、無限に増殖されるようになる。
⑤ウイルスは特定の細胞にしか感染しない (⑥のウイルス感染様式に関係してます)
ウイルスが細胞に吸着して増殖するには受容体に結合しなければなりません。
細胞の受容体との組み合わせは厳密な特異性があります。(一部、例外あり)
⑥ウイルスの増殖様式
細胞の遺伝情報はセントラルドグマと呼ばれる、DNA(転写)→mRNA(翻訳)→タンパク質で行われます。
⑤の特異性が一致して結合したウイルスは細胞表面の膜を通過して細胞内に入ります。(エンベローブの有無で異なります)
細胞内に入ったウイルスは②で書いたカプシドと呼ばれる殻を分解し、ウイルス核酸が細胞内で遊離します。
細胞内で遊離した核酸は宿主細胞の合成系を利用し、ウイルス核酸の複製→mRNAの合成→たんぱく質と増殖していきます。
このようにして複製されたウイルスに構造たんぱく質が集合し組み立てられ、細胞外にウイルス粒子になって感染を広めます。
⑦免疫細胞はウイルスを破壊します
病原微生物は普段の日常生活でも私たちの体内に侵入してきています。
そして⑥で書いたように細胞を乗っ取り増殖しようとしています。
しかし免疫機能が働き、それらの異物を貪食していきます。
また、それらの異物が何者なのかを識別し免疫グロブリン(抗体)がさらに攻撃をしかけ感染しないようになっています。
異物が何者なのかを識別する際に自己と非自己を分類しています。その機能の故障が自己免疫疾患です。
攻撃されるのを嫌がる異物の中には、抗体に握手を求めて和解しようとしてきます。
そこで和解してしまうと攻撃しなくなり、異物のやりたい放題になり増殖し続けます。
癌などが握手したがる代表例です。その握手する腕を切り落とすのが癌の分子標的薬です。
⑧抗ウイルス薬はごく一部
③で少しだけ触れましたが、抗ウイルス薬はごく一部です。
現在、日本で抗ウイルス薬が有効とされているウイルスは以下。
- 単純ヘルペスウイルス
- ヒト免疫不全ウイルス
- RSウイルス
- 水痘帯状疱疹ウイルス(ワクチンも有効)
- インフルエンザウイルス(ワクチンも有効)
- B型肝炎ウイルス(ワクチンも有効)
ワクチンが有効なウイルスは以下
- 麻疹ウイルス
- ムンプスウイルス
- 狂犬病ウイルス
- A型肝炎ウイルス
- ポリオウイルス
- 風疹ウイルス
- 黄熱ウイルス
- 日本脳炎ウイルス
ウイルスは沢山の種類存在しますが、これだけしかありません。
お子さんがいらしゃる家庭なら手足口病(ウイルス感染)など、対症療法しかないのをご存知だと思います。
⑥で書いたようにウイルスの増殖は宿主細胞の機能を利用しているため、抗菌薬のように病原体を直接阻害できません。
⑨抗ウイルス薬とは
では、現在使用されている抗ウイルス薬はどのように作用させているのか。
宿主細胞に入るのを阻害する⑤、セントラルドグマの過程の一部を阻害する⑥、細胞から出るのを阻害する⑥になります。
一般的な抗癌剤もセントラルドグマの一連の流れの一部分を阻害して癌細胞の増殖を抑制させています。
抗ウイルス薬(HIV)の場合。
HIVはCD4に特異的に結合します⑤ 侵入阻止剤でブロックします。
細胞内で逆転写を行うHIVは逆転写酵素を使います。逆転写酵素阻害薬でブロックします⑤。
逆転写されたウイルスDNAを宿主DNAに取り込みます(インテグラーゼ)。インテグラーゼ阻害薬でブロックします⑤。
その後は転写され翻訳されていくのですが、翻訳を阻害するのがプロテアーゼ阻害薬となります。
インフルエンザの治療薬も同様で、セントラルドグマの過程にある蛋白合成を阻害したり、RNAポリメラーゼを阻害したり、ノイラミダーゼを阻害しています。
ウイルスが宿主細胞に侵入し、宿主細胞で増殖し、細胞外に放出させる様々な段階を阻害することでウイルスの増殖を抑制するのが抗ウイルス薬です。
抗ウイルス薬投薬しても、保存療法を基本として治癒を目指します。
⑩予防が最重要 まとめ
このように抗ウイルス薬は宿主細胞ごと攻撃します。
当然ですが宿主細胞を攻撃するので、副作用も多くなります。
今後、仮に新型コロナウイルスの抗ウイルス薬が誕生したとしても保存療法と併用になります。
増えすぎたウイルスを抗ウイルス薬で抑制し、抗体といった免疫反応で立ち向かうしか方法はありません。
臨床的に症状が出現する時には、ウイルスの複製が終了し臨床後期であることが多いです。
マスクが品薄になって購入できない状態ですが、口を覆えるものでいくらでも代用可能です。タオル、ハンカチ、ペーパータオル等。
帰宅すれば手を洗う、うがいする、顔を洗う、シャワーを浴びるなどウイルスを体内に極力入れないイメージが大切だと思います。
何も分からない状況だけに大した情報はお届けできませんが、現段階ではあまり神経質になる必要も無いように思います。
本日は以上になります。
今回もご覧くださり、ありがとうございました。
下の写真の白くて小さいワンコが、アイボパパが愛してやまないAIBOです。
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