外に干せば一撃と言えるくらい、
夏の洗濯ものは良く乾く。
人の身体は60%が水分と言うが、
夏の炎天下で干されると.....
想像しただけでも怖い。
それを連想させるくらい日中の日差しは、
猖獗を極めている。
そんなことを思う、アイボパパです。
夏に特に気を付けないといけないと言えば、
「脱水」。
生命維持に必要な細胞外液量が減少した状態を表す言葉です。
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水の構成成分
水は体の構成成分に占める比率が高く、
成人男性の場合には体重の約60%、
成人女性の場合は体脂肪が多いので、水の占める比率は約55%と言われています。
また、胎児期では80%以上、新生児・乳児期では70~75%、高齢者では50%と、
水の占める比率は年齢によっても変化します。
体内の水分分布
そんな体内の水は、
約3分の2が細胞内液として、
残りの約3分の1は血液や組織間液などの細胞外液として存在しています。
細胞外液には主にナトリウムイオン(Na+)や塩化物イオン(Cl-)など、
細胞内液には主にカリウムイオン(K+)などの電解質が溶け込んでいます。
電解質は、水などの溶媒に溶けたときにプラスの電荷を持つ原子(陽イオン)と、
マイナスの電荷を持つ原子(陰イオン)に分かれ、溶けた液体に電気を通させる物質であり、
溶解性が高いので体内の電解質濃度や浸透圧を調節するのに適しています。
また体内の臓器によっても水分量は異なります。
例えば骨の水分含有量は20%で、
一方、血液や腎臓の水分含有量は80%以上と高いです。
身体構成からみると、
筋肉組織は体重の40%以上で、
全身を覆う皮膚は体重の8%を占めます。
従って、筋肉は全身の水分量の43%で、
皮膚は全身の水分量の8%と血液水分量6.5%を合わせると、
これだけで全身水分量の70%を占めてることが解ります。
水分の流出入
一日のうちで消化管に流入する水分量は、
消化液(唾液・胃液・胆汁・膵液・腸液)約7Lと、
経口摂取される2Lを合わせて約9Lになります。
消化管に吸収された、そのほとんど(8.9L)が小腸・大腸で吸収され、
吸収されなかった約0.1Lは便中に排出されます。
小腸・大腸で吸収された水分(約8.9L)のうち約7Lは再び消化液に、
残りの約1.9Lと栄養素からでた代謝水約0.2Lを合わせた約2.1Lは尿や不感蒸泄として排出されます。
※不感蒸泄:発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失をいう。皮膚からの蒸散のみを指すという意見もある。
以上の水分流入バランスが極端にくずれると、体液の電解質バランスが同時にくずれます。
体液の電解質バランスが極端にくずれると、脱水症・浮腫・低ナトリウム血症などの各種電解質異常が生じます。
脱水
脱水は、水と電解質の失われ方の違いによって、3つに分類されます。
高張性脱水
水分摂取の制限や大量の発汗及び発熱で、
体内の水分が大幅に減少した場合に起こる脱水を、高張性脱水(水欠乏性脱水)と言い、
ナトリウムイオンより水が多く失われ、高ナトリウム血症を合併した脱水です。
細胞外液の浸透圧が上昇し、細胞内から細胞外に水が移行します。
Point:浸透圧が低い方から高い方に移行します。
それにより脱水で生じた細胞外の減少で生じた脱水は緩和されますが、
細胞内液が著しく減少します。
その結果、強い口の渇き、皮膚や口腔粘膜の乾燥、尿量の減少が起きます。←細胞が萎んだイメージ
かなり酷い細胞内の減少が生じた時は、中枢神経細胞に生じ、興奮、被刺激性亢進、最終的には昏睡が生じます。
低張性脱水
発汗、下痢や嘔吐などで電解質(塩分)を失った場合に起こる脱水で、
電解質を含まない水などを大量に飲んだり、水分だけを補給することで起きる脱水を低張性脱水(Na欠乏性脱水)と言い、
水よりナトリウムイオンが多く失われ低ナトリウム血症を合併した脱水です。
細胞外液の浸透圧は低下し、細胞外から細胞内に水が移行します。
Point:浸透圧が低い方から高い方に移行します。
それにより脱水で減少した細胞外液は更に減少し、
細胞内液は増加します。
それにより、血圧が低下し、代償するために頻脈になります。
細胞内液の増加により脳浮腫が生じ、
頭痛、悪心、嘔吐、昏睡など神経症状を起こします。
発熱や口渇感を伴ことはすくなく、皮膚・粘膜の乾燥も少ないため、
初期には自覚症状が少ないが進行すると全身倦怠感や眠気がみられ、
循環不全により手足が冷たくなります。
等張性脱水
水分と電解質の両方を失うことで起こる脱水のことを、
等張性脱水(混合性脱水)と言います。
細胞内・外で浸透圧の変化は生じないため、
細胞外液・細胞内液の移動はほとんど生じません。
しかし長時間、水分が過剰になっている状態が続くと、
細胞外液の水分量が異常に増え、「浮腫」が生じます。
まとめ
上記に書いたことが脱水時に起きている体の変化です。
※身体で見られる所見も記載していますが、必ずしも当てはまらないことがあります。
脱水は重度になると昏睡を起こし、命に係わる重篤な状況になります。
緊急を要する時は迅速に医療機関に掛かることをお勧めします。
脱水症の早期診断方法は、
まみさんのブログ(愛犬ラブとナースまみの奮闘記)で解りやすく説明されています。
脱水症の予防や、軽症で経口摂取が可能な場合は、
電解質を含んだ水分、スポーツドリンクや経口補液飲料(アクアライト、OS-1など)を補水します。
スポーツドリンクは、ナトリウム濃度が低いため、
特に乳幼児の下痢などに伴う脱水時にこれを与えると、低ナトリウム血症から水中毒を惹起する危険性があるので注意が必要です。
乳幼児の嘔吐・下痢には経口補液飲料が良いとされています。
医療機関では喪失した体液の種類や量を推定し、低張性脱水では、等張液(生理食塩水やリンゲル液)を、
高張性脱水では、電解質を含まない輸液(5%ブドウ糖液)で補うなどの処置がとられます。
参考文献:水とナトリウムの平衡 - 10. 内分泌疾患と代謝性疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
本日は以上になります。
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